この脱乾漆のぐい呑を生み出したのは、輪島で17代続く山崖松花堂のご兄弟。兄の宗陽(そうよう)さんは蒔絵職人、弟の松堂(しょうどう)さんは、なんと手で漆を塗るという若き塗師です。このぐい呑は、お二人の創作意欲と研究の結晶です。工房には、創意工夫の足跡が所狭しと置かれています。20年間塗り続けていて、まだ完成しない作品など、アイディアと試行錯誤の山がそこにありました。
ふつうの輪島塗では、おおよそ9回、漆が塗り重ねられますが、この脱乾漆ぐい呑は100回から150回という、気の遠くなるような、塗って研いで・・・が繰り返されます。使う漆の量も30倍にもなります。
これまで誰もやらなかったような漆器を生み出したお二人の夢は「国宝」をつくること。そう語る二人の目は、新たな漆の世界を拓くため、アグレッシブに攻めていく戦士のようでした。
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